MODEetMODE(モードェモード) No.362

2013年2月21日発売 / モードェモード社
紙版 : ¥1440

No.362 内容紹介

モードェモードNo.362
~2013春夏パリ・オートクチュール・コレクション号~

2013年春夏シーズンをしめくくるパリ・オートクチュール・コレクションは、1月20日夜、アトリエ・ヴェルサーチのショーで幕を開けました。
モードェモード最新号では、2013年という新しい年の幕開けに相応しく、華やかな作品の出揃った、この2013春夏パリ・オートクチュール・コレクションより、トップメゾンの全作品を余すところなく解説付きでご紹介しています。
また、同時期にスイス・ジュネーブで開催された国際高級時計見本市(SIHH)の模様や、気になる旬のブランドのプレ・フォール・コレクション、メンズ・コレクションも一緒にご紹介しています。
プレタポルテでは見られない、オートクチュール職人たちの手工芸の美と匠の世界を、贅沢な誌面でお楽しみください。


◆2013春夏パリ・オートクチュール・コレクション
長く暗い冬が終わりを告げ、色とりどりの花が咲き、草木が芽吹き、動物たちが目を覚まして、春の訪れを告げる…そんなイメージで新作を披露したのは、シャネル、ヴァレンティノ、ディオールの3メゾン。シャネルのショーでは、緑の生い茂る森の中をイメージしたセットに、鳥の羽で全身をふわふわと覆われた、妖精のようなモデルたちが登場しました。同じく、妖精のようにピュアな女性像を繊細な素材使いで見せたヴァレンティノは、秘密の花園をテーマに、作品1点1点に花の名前を付けました。ラフ・シモンズによるディオールでは、舞台ところ狭しと設置した裸の木の枝に、色とりどりのドレスと小花刺繍で無数の花を咲かせながら、ムッシュ・ディオールの春の庭園を再現しました。
一方、経済発展めざましいインドや、民主化運動に沸く北アフリカなど新興の国からエスニックなインスピレーションを得たのはゴルチエとアルマーニ。かたやパリらしいドレープを生かしたシフォンのドレスを、かたやイタリアメイドのシルク素材で仕立てたマニッシュなパンツスーツを、それぞれメインに、都会的に洗練されたコレクションに仕上げました。前述の3社とは一見、対照的なテーマを掲げたように見えますが、根底には、明るく希望に満ちた未来をファッションを通して描き出す、オートクチュリエたちからの夢あふれるメッセージ、という共通する思いが込められています。
ほかに、本物のゴールドを織り込みシャープなスーツやドレスを仕上げ、ひときわ煌めきを放って女性美をきわめたドナテッラ・ヴェルサーチ。江戸時代から継承される友禅染めの技術でドレスをカラフルに彩り、日本ならではの繊細な美しさを世界にアピールした桂由美など。それぞれに、美しいと同時に個性豊かであることがオートクチュールの条件であることを、改めて示してくれました。


◆魅惑のハイジュエリー
毎年1月、スイスのジュネーブで開催されるSIHH(国際高級時計見本市。ジュネーブサロン)は、カルティエを筆頭とするリシュモングループの全ブランドが、世界各国から時計専門家やバイヤーたちを前に最新作のウォッチを発表する場で、宝飾界の新たなトレンドを占う上でも欠かせない貴重なイベントです。今年特に際立ったのは、ヴァンクリーフ&アーペルとカルティエの2大ブランド。スイスの高級時計ならではの精密な職人技に、ハイジュエラーとして長年培った宝石技術と厳選された最高級の石使い、さらに芸術的なセンスと創造力で仕上げた、見事なコレクションで魅了しました。また、得意のウォッチの薄型化技術にさらなる磨きをかけたピアジェ、パリからスイスへ初参戦のショーメもユニークなウォッチを発表。一方、同時期にパリでは、ブシュロンやディオール、ルイ・ヴィトンといった人気ブランドたちがジュエリーの新作を見せました。


◆シャネル「パリ-エディンバラ」コレクション
来たる秋冬シーズンにさきがけ、毎年12月初旬にいち早く発表されるシャネルのメティエダール・コレクション。ルサージュやルマリエといった、パリ伝統のオートクチュールアトリエとともに作り上げたコレクションは、限りなくオートクチュールに近い完成度を持ったプレタポルテとして、本物志向の顧客たちをうならせています。11年目を迎えた今回は、スコットランドのエディンバラ郊外にある、メアリー・スチュアート(英国史上悲劇の女王と呼ばれる中世のスコットランド女王)の生まれた古城・リンリスゴー宮殿を舞台に選びました。粉雪の舞い散る夜に、宮殿の回廊を使ったゴシックかつロマンあふれるショーには、シャネルの香水No.5のキャラクターを務めるブラッド・ピットがアンジェリーナ・ジョリーを連れて出席するなど、賑わいをみせました。かつてココ・シャネルが恋人ウエストミンスター公爵に影響され、英国紳士の装いやタータンチェックを取り入れたこと、また、昨年シャネル社がスコットランドのカシミアニットメーカーを傘下におさめたことなども縁となり、カール・ラガーフェルド率いる現代のシャネルチームが、おなじみのスコティッシュモチーフを華やかに、フェミニンに再現し、注目です。


◆13-14秋冬プレ&メンズ・コレクション
今季はオートチュール参加を見送ったものの、若手セレブを中心に、レッドカーペットでの需要も高まっているリカルド・ティッシのジバンシィから、スタイリッシュなプレ・フォール・コレクションが届きました。エディ・スリマンが就任して話題のサンローランは、レディスのプレ作品と、1月にパリで発表されたメンズ・コレクションの模様を。ディオールは、レディスを手掛けるラフ・シモンズによる初のプレ作品と、クリス・ヴァン・アッシュによるメンズの両コレクションを。また、アルベール・エルバスのランバン、フィービー・フィロのセリーヌ、スウェーデンから人気急上昇中のアクネの最新作も。ファッション界の未来を担う若きカリスマたちが、今の“気分”で表現するプレ・コレクションには、リアルなワードローブとしてチェックしたい作品が目白押しです。


ほかにも様々なブランドが登場。オートクチュール・コレクションからはバックステージ情報やオフ・ザ・ランウェイなど気になる“場外リポート”も含め、他のメディアでは味わえない、優雅さあふれる高級ファッション界のエスプリをお伝えします。

(2013年2月21日発売、A4変型、180ページ・オールカラー、1,400円)

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